日本政策金融公庫の融資で必要な「事業計画書」と「提出書類」完全ガイド。審査通過のポイントも解説
- 名古屋創業融資サポートセンター

- 9月25日
- 読了時間: 16分

起業や新しい事業を始めるとき、資金調達の方法として多くの人が利用しているのが「日本政策金融公庫の融資」です。しかし、いざ申し込みをしようとすると「どんな書類を用意すればいいの?」「事業計画書には何を書けばいいの?」と不安に感じる方も少なくありません。
日本政策金融公庫の融資では、事業計画書の内容と提出書類の整い具合が審査の通過に大きく影響します。つまり、しっかりと準備をして臨むかどうかで、融資が通るかどうかが変わってくるのです。
この記事では、「日本政策金融公庫の融資を受けるために必要な事業計画書と提出書類」について、初めての方にもわかりやすく解説します。また、審査の流れや注意点、書類作成のポイントもあわせて紹介するので、これから融資を申し込む方はぜひ参考にしてください。
きちんと準備をすれば、公庫の融資は決して難しいものではありません。自分の事業への想いをしっかりと形にして、「伝わる事業計画書」を作っていきましょう。
日本政策金融公庫の融資とは
日本政策金融公庫(にほんせいさくきんゆうこうこ)は、国が全額出資している公的な金融機関です。民間の銀行とは違い、創業したばかりの人や、これから事業を始めようとする人を応援するための融資制度を用意しています。
銀行からの融資は、実績や担保がないと難しいケースが多いですが、公庫の融資はそうした人たちの「最初の一歩」を後押ししてくれるのが特徴です。
日本政策金融公庫の主な特徴
創業前でも融資が受けられる
まだ開業届を出していない段階でも、しっかりとした計画があれば融資の対象になります。
無担保・無保証人でも申込できる制度がある
「新創業融資制度」など、一部の制度では担保や保証人が不要なものもあります。
低金利・長期返済が可能
民間銀行よりも低い金利で、最長で10年程度の返済期間を選べる場合があります。
どんな人が利用できるのか
公庫の融資は、次のような方に向いています。
新しくお店や会社を立ち上げる人
副業から本格的に独立したい人
設備投資や店舗改装などで資金が必要な人
女性や若者、シニアなどを対象にした特別支援制度を利用したい人
このように、日本政策金融公庫は「これから事業を始めたい人」や「創業間もない人」にとって最も利用しやすい融資機関のひとつです。
名古屋でも多くの利用実績
名古屋市内にも複数の支店があり、地域に密着したサポートを行っています。特に、地元で創業したい人に対しては、面談や書類提出のサポートも丁寧に行われることが多いです。
ただし、審査に通るためには、正しい知識としっかりした準備が必要です。次の章では、融資申請に必要な書類について詳しく見ていきましょう。
融資申請に必要な主な書類一覧
日本政策金融公庫の融資を申し込む際には、いくつかの書類をそろえる必要があります。この書類が不十分だと、審査に時間がかかったり、最悪の場合は融資が通らないこともあります。ですので、必要書類を正しく理解し、早めに準備することが大切です。
主な提出書類
① 借入申込書融資を受けたい金額や返済期間などを記入する書類です。日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできます。
② 事業計画書(または創業計画書)この書類が最も重要です。どんな事業を行うのか、どのように収益を上げるのかをわかりやすく説明する資料になります。後ほど詳しく説明しますが、事業の魅力や実現性をしっかり伝えることがポイントです。
③ 資金使途のわかる書類設備を購入する場合は見積書、店舗を借りる場合は賃貸契約書など、融資金の使い道がはっきりわかる資料が必要です。
④ 通帳のコピー過去半年から1年分の入出金がわかるページを提出します。これは、自己資金が本当に貯められているかどうかを確認するために使われます。
⑤ 確定申告書または決算書(既に事業をしている場合)すでに事業を行っている人は、過去の業績を示す書類として提出します。
⑥ 身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)本人確認のために必要です。
審査でよく確認されるポイント
公庫の担当者は、書類を通して次のような点をチェックしています。
資金の使い道が具体的で、目的に合っているか
自己資金がどれくらいあるか
売上や利益の見込みに無理がないか
経歴やスキルが、計画している事業内容に合っているか
つまり、書類は「信用」を見せるための材料でもあります。丁寧に作成し、数字や根拠をしっかりそろえることで、担当者に安心感を与えられます。
書類をすべて完璧にそろえるのは簡単ではありませんが、焦らず一つずつ準備すれば大丈夫です。次の章では、特に重要な「事業計画書」について、どのように書けばよいかを詳しく解説していきます。
事業計画書(創業計画書)の重要性
日本政策金融公庫の融資を受けるうえで、最も重要なのが「事業計画書(創業計画書)」です。これは、あなたの事業の内容や目標、将来の見通しをまとめた「経営の設計図」のようなものです。この計画書がしっかりしていれば、審査の印象が大きく変わります。
なぜ事業計画書が重視されるのか
公庫の融資は、担保や保証人がなくても借りられる制度があります。その代わりに、事業の将来性や信頼性を確認するために事業計画書が重視されるのです。つまり、数字だけでなく「この事業は本当に成長できるのか」を判断する材料になります。
担当者は、計画書を読みながら次のような点を見ています。
事業内容が具体的で、理解しやすいか
売上や利益の見込みに根拠があるか
自己資金や仕入・経費のバランスがとれているか
経営者の経験や強みが事業内容と合っているか
審査に通りやすい事業計画書の書き方
事業計画書を書くときは、数字を並べるだけでなく、読む人が納得できる内容にすることが大切です。次のポイントを意識すると、より伝わる計画書になります。
なぜこの事業を始めるのかを明確にする
「どんな想いで始めるのか」「どんな社会的価値があるのか」を具体的に書くと伝わりやすくなります。
ターゲットと市場をはっきり示す
どんな人をお客様にしたいのか、その市場にどんな需要があるのかをデータなどで説明します。
競合との差別化を明確にする
同じ業種の中で、どこが違うのか、なぜあなたのサービスが選ばれるのかを整理しましょう。
現実的な数字を使う
売上や経費の予測は、過去のデータや業界平均を参考にして、無理のない数値を設定します。
よくある失敗例
事業計画書で多い失敗の一つは、内容が抽象的で、具体性がないことです。たとえば「たくさんの人に喜ばれるサービスを提供する」などの表現では、担当者に伝わりません。また、売上の見込みが高すぎたり、経費の根拠がない場合も「現実的でない」と判断されやすくなります。
事業計画書は、あなたの想いを数字とストーリーで伝える大切なツールです。丁寧に作成することで、担当者に「この人なら成功しそうだ」と感じてもらえる計画書になります。次の章では、書類を提出してから融資が実行されるまでの流れを詳しく見ていきましょう。
書類準備から融資までの流れ
日本政策金融公庫の融資は、書類を出して終わりではありません。実際には、いくつかのステップを踏んで審査・面談を経て、融資が実行されます。ここでは、申し込みからお金が振り込まれるまでの一般的な流れを紹介します。
ステップ① 事業内容を整理する
まず最初に行うのは、事業の全体像を整理することです。「どんな目的で」「どんな人に」「どのように」サービスや商品を提供するのかを明確にします。ここで考えがあいまいだと、後の事業計画書もぼんやりした内容になってしまいます。
この段階では、メモ程度でも構いません。自分がやりたいことと、それが誰の役に立つのかをはっきり言葉にすることが大切です。
ステップ② 事業計画書を作成する
次に、整理した内容をもとに事業計画書(創業計画書)を作成します。日本政策金融公庫の公式サイトにはフォーマットがあるため、それを使えば誰でも書きやすい形にできます。
特に重要なのは、売上・経費・利益の見通しです。これらの数字は、単なる希望ではなく、仕入れ先や市場のデータに基づいた「根拠のある数字」を示す必要があります。また、経営者の経歴や強みも、計画の信頼性を高める要素になります。
ステップ③ 必要書類をそろえる
事業計画書が完成したら、ほかの必要書類を集めましょう。たとえば、通帳のコピー、見積書、身分証明書、開業届の控えなどです。もし店舗を借りる場合は賃貸契約書も必要になります。
書類はひとつでも不足していると手続きが止まってしまうことがあるため、提出前に必ずチェックリストで確認しましょう。
ステップ④ 融資の申し込み
書類がそろったら、公庫の支店に申し込みを行います。名古屋市内にはいくつかの窓口があり、郵送での対応が可能な場合もあります。申し込み後は、担当者から電話やメールで面談日程の連絡が来ます。
ステップ⑤ 面談(ヒアリング)
面談は、おおよそ1時間前後です。担当者が事業内容や資金の使い道、自己資金について質問します。ここで大切なのは、事業への想いと数字の根拠を一貫して説明できることです。
特別な受け答えを覚える必要はありませんが、事前に話す内容を整理しておくと安心です。また、服装や姿勢など、ビジネスマナーを意識することも印象を良くします。
ステップ⑥ 審査・融資実行
面談が終わると、審査が行われます。通常、結果が出るまでに2〜3週間ほどかかります。無事に審査が通れば、契約書の手続き後に指定口座へ融資金が振り込まれます。
ここまでの流れを見てもわかるように、融資にはある程度の時間と準備が必要です。ですが、事前にしっかり準備しておけば、スムーズに進めることができます。次の章では、審査で見られる具体的なポイントについて解説していきます。
審査で見られる評価ポイント
日本政策金融公庫の融資では、書類をそろえて提出するだけでなく、審査でどう評価されるかがとても重要です。審査では、数字だけでなく、あなたの「事業に対する考え方」や「準備の丁寧さ」も見られます。ここでは、公庫がどんな点を重視して判断しているのかを具体的に紹介します。
自己資金の額と貯め方
まずチェックされるのが、自己資金です。これは「自分の力でどれだけお金を準備できたか」という部分で、事業への本気度を示す材料になります。
たとえば、開業資金のうちの3割ほどを自己資金で用意できていれば、計画性が高いと見られます。また、通帳の入出金履歴も確認されるため、短期間で不自然にお金を移動させる「見せ金」はすぐにわかります。コツコツ貯めた実績が信用につながることを意識しましょう。
資金計画の妥当性
融資で提出する資金計画(資金繰り表など)も重要な審査ポイントです。担当者は、資金の使い道が現実的で、無理のない返済計画になっているかをチェックします。
「開業費」「仕入れ」「運転資金」など、項目ごとに金額の根拠があるかを確認し、過剰な設備投資や必要以上の借入がないかを見ています。
『なぜこの金額が必要なのか』を説明できることが、信頼を得るポイントです。
売上・利益の見込みの根拠
事業計画書に書いた売上や利益の数字が、現実的かどうかも審査対象です。売上が高すぎたり、経費が少なすぎたりすると、「この計画では返済が難しいのでは」と判断されることがあります。
そのため、
過去の業界データ
同業他社の事例
仕入れ先・販売先の見積もり
など、客観的な根拠をもとに数字を示すことが大切です。
経営者の経験・人柄
日本政策金融公庫の審査では、数字だけでなく「人」も見ています。面談での印象や受け答えの内容も判断材料の一つです。
担当者は、次のような点を見て判断しています。
事業内容を自分の言葉で説明できるか
過去の経験やスキルが事業に活かせそうか
誠実さや熱意が感じられるか
特に、過去に似た業界で働いた経験や資格がある場合は強いアピールになります。
審査では、「数字の正確さ」「計画の根拠」「経営者の信頼性」が総合的に判断されます。どれか一つが突出していても、他の部分が弱いと不安要素になります。
つまり、『書類の内容』『数字の根拠』『人としての信用』の3つをバランスよく整えることが、審査通過の近道です。
日本政策金融公庫の融資のメリットとデメリット
日本政策金融公庫の融資には、他の金融機関にはない特徴があります。うまく活用すれば、創業時の大きな力になりますが、注意しておくべき点もあります。ここでは、メリットとデメリットを整理して理解しておくことが大切です。
融資を利用するメリット
① 無担保・無保証人で借りられる制度がある
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、担保や保証人がいなくても申し込みができます。創業したばかりの人でも、一定の条件を満たせば利用できるのが大きな利点です。
② 低金利で、返済期間を長く設定できる
公庫の融資は、民間銀行よりも金利が低く設定されています。また、最長10年ほどの返済期間を選べることが多く、毎月の返済負担を抑えられます。「返済しながら事業を安定させる」ための仕組みが整っているのが特徴です。
③ 創業前でも申し込みできる
開業前の段階でも、しっかりとした計画があれば融資を受けることが可能です。たとえば、「これから店舗を借りる」「設備をそろえる」といった準備段階の人でも対象になります。
④ 地域密着でサポートが手厚い
名古屋をはじめ各地の支店では、相談対応や書類のチェックなど、細かな支援をしてもらえることがあります。初めての融資でも安心して相談できる環境が整っているのも魅力です。
融資を利用するデメリット
① 審査に時間がかかる
民間銀行に比べると、審査期間はやや長めです。通常は申し込みから2〜4週間程度かかるため、早めの準備が必要です。
② 書類が多く、手続きが複雑に感じる
借入申込書や事業計画書、通帳のコピー、見積書など、多くの書類をそろえる必要があります。特に初めての方は、書類の整え方に時間がかかることがあります。
③ 融資額の希望がそのまま通るとは限らない
希望した金額よりも少ない金額で承認されるケースもあります。審査の結果、事業計画や自己資金とのバランスを見て判断されるためです。
日本政策金融公庫の融資は、他の金融機関と比べて利用しやすく、創業期の強い味方になります。一方で、しっかりとした準備と正確な書類作成が求められる制度でもあります。メリットとデメリットを理解したうえで、自分の事業に合った方法で活用していきましょう。
よくある質問(FAQ)
ここでは、日本政策金融公庫の融資を検討している方からよく寄せられる質問をまとめました。初めての申請で不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
Q1. 事業計画書は手書きでも大丈夫ですか?
はい、手書きでも問題ありません。ただし、担当者が読みやすいように文字を丁寧に書くことが大切です。また、パソコンで作成するとレイアウトが整いやすく、数字の修正もしやすいため、見やすさの面ではパソコン入力がおすすめです。
Q2. 自己資金が少なくても融資は受けられますか?
自己資金が少なくても融資を受けられる可能性はあります。ただし、自己資金が多いほど信用度は高くなります。資金をどのように準備したのか、どんな努力をしてきたのかを説明できると印象が良くなります。また、補助金や家族からの支援などを組み合わせて、資金計画をしっかり立てておくと安心です。
Q3. 審査に落ちた場合、もう一度申し込めますか?
再度申し込むことは可能です。ただし、前回と同じ内容のままでは通らない可能性が高いため、事業計画や資金の使い道を見直して改善することが大切です。
たとえば、売上の根拠をより具体的にしたり、経費の見積もりを現実的な数字に直したりすることで、再審査で通るケースもあります。
Q4. 面談ではどんなことを聞かれますか?
面談では、書類に書かれた内容を中心に確認されます。
たとえば、
なぜこの事業を始めようと思ったのか
売上や利益の見込みに根拠はあるか
自己資金はどのように貯めたのか
といった質問です。
正直に、わかりやすく説明することが何より大切です。事前に自分の考えを整理しておけば、落ち着いて答えられます。
Q5. どのくらいの期間で融資が実行されますか?
申込から融資実行までは、おおよそ2〜4週間程度が目安です。ただし、書類の不備や混雑状況によっては、もう少し時間がかかる場合もあります。余裕をもってスケジュールを立てることをおすすめします。
このように、事前に疑問を解消しておくことで、スムーズに手続きを進められます。特に、書類の書き方や面談での受け答えは、準備をしておくことで結果に大きく差が出ます。
専門家に相談するメリット
日本政策金融公庫の融資は、自分で手続きを進めることもできますが、専門家に相談することで成功率を高めることができます。特に初めての申請では、どんな書類をどう書けばよいのか、どの数字をどう説明すればよいのか迷う方が多いものです。ここでは、専門家に相談することで得られる主なメリットを紹介します。
1. 書類作成の精度が上がる
専門家は、公庫の審査傾向や担当者がどこを見るかを理解しています。そのため、審査官が理解しやすく、説得力のある事業計画書に整えることができます。また、言葉の使い方や数字の根拠の示し方なども具体的にアドバイスしてもらえるため、内容の完成度が大きく向上します。
2. 面談の対策ができる
公庫の面談では、書類の内容に基づいてさまざまな質問を受けます。その際に、どんな質問が多いのか、どう答えれば信頼されるのかを知っていると安心です。専門家と一緒に事前の模擬面談をしておくことで、自信を持って臨むことができます。
3. 通過率を高めるサポートが受けられる
融資が通らない理由の多くは、書類の不備や計画の甘さによるものです。専門家はそれらのポイントを事前にチェックし、改善点を的確に指摘してくれるため、審査を通過できる可能性が高まります。
また、資金計画の立て方や返済シミュレーションの作成など、事業を長く続けるためのアドバイスも受けられるのが大きなメリットです。
4. 時間と手間を減らせる
申請書類を一から自分で調べて作るのは時間がかかります。専門家に相談すれば、必要な書類のリストアップから記入のサポートまでまとめて依頼できるため、効率的に準備が進められます。
専門家のサポートを受けることで、事業計画書の質が高まり、審査での信頼性もアップします。特に初めて融資を受ける方にとっては、失敗を防ぐ心強い味方となります。
まとめ
日本政策金融公庫の融資を受けるためには、事業計画書の内容と書類の準備がとても重要です。どれだけ良い事業アイデアでも、計画や数字に根拠がなければ、審査で良い評価は得られません。
まずは、事業の目的やビジョンを明確にし、売上・経費・利益の見込みを現実的な数値で示すことが大切です。さらに、自己資金をしっかりと準備し、資金の使い道を具体的に説明できるようにしておきましょう。
また、融資の審査では、「事業の内容」だけでなく「経営者としての信頼性」も重視されます。誠実な態度で面談に臨み、担当者に安心感を与えることも成功へのポイントです。
初めての申請であっても、焦らず丁寧に準備を進めれば、融資を受けることは十分に可能です。正しい知識をもとに一歩ずつ進めていけば、あなたの事業のスタートをしっかり支えてくれる制度となるでしょう。
このように、公庫の融資は、事業を始める人にとって非常に心強いサポートです。事業計画書を通じて、自分の想いと計画をしっかりと形にし、信頼される準備を整えておきましょう。



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